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SmTIAS-LightSim / docs / 06_TEST / TEST_06_外乱光影響評価.md

外乱光影響評価 (Ambient Light Influence Evaluation)

注: 本ファイルは MiniTias-Evaluation で作成された REPORT_03 外乱光影響評価報告書 を SmTIAS-LightSim 側に取り込んだスナップショット.本文中で参照される他の MiniTias-Evaluation 側ドキュメントのリンクは MiniTias-Evaluation リポジトリ起点で,SmTIAS-LightSim 側からは到達しない(リンク切れは許容).取り込みの位置付けは TECH_06 MiniTias-Evaluation 引き継ぎ受領 を参照.

概要 (Overview)

MiniTIAS の照明均一性測定が,外部の室内照明(外乱光)にどれだけ影響を受けるかを評価した.SmTIAS 装置自前の照明のみで撮影した DNG と,それに室内灯(外乱光)を加えて撮影した DNG を,同一指標で比較する.

結論を先に述べると,外乱光の有無で評価結果はほぼ変わらない(指標差 1% 未満).SmTIAS 自前照明が支配的で,測定は室内照明環境に対してロバストである.

前提・対象データ (Scope and Samples)

項目内容
条件 A(MiniTIAS のみ)MiniTIAS_QM_20260601_124500(室内灯 OFF,2026-06-01 12:45 撮影)
条件 B(MiniTIAS + 外光)MiniTIAS_QM_20260601_102753(室内灯 ON,2026-06-01 10:27 撮影)
機種 / モードSH-02M / 定量モード(RAW_SENSOR,露出・ISO 等は両者同一固定)
評価領域 (ROI)config/roi_config.json の minitias.whiteboard(白板中央,両者同一)
評価条件linear(output_color=raw)/ portrait / LSC 補正あり・なし両方

重要な前提(本評価の限界): 条件 A・B は別セッションの撮影(時刻が異なり,三脚固定でないため微小な位置ずれの可能性).したがって「外乱光の純粋な寄与」を厳密に分離したものではなく,外乱光の影響がセッション間ばらつきと比べて支配的かどうかを判定する位置づけである.厳密な切り分けは今後の課題(後述).

結果 (Results)

raw センサ統計(黒レベル=64,全画素)

条件raw meanminmaxstdmean R/G/B
A: MiniTIAS のみ441.289983161.0355.9 / 537.4 / 333.6
B: MiniTIAS + 外光431.490949155.7349.4 / 525.4 / 325.1

均一性指標(白板 ROI,数値が大きいほどムラ大.動径 min/max のみ 1.0 で均一)

条件ROI meanCoVmax/min中心/周辺比勾配(%)動径 min/max
A: MiniTIAS のみ(LSC 補正)207.820.06951.6171.09118.350.8600
B: MiniTIAS + 外光(LSC 補正)208.770.06891.6411.09528.690.8533
A: MiniTIAS のみ(LSC なし)170.580.1464—1.451131.090.5343
B: MiniTIAS + 外光(LSC なし)171.390.1477—1.456331.330.5304
差(A−B,LSC 補正)−0.95+0.0006−0.024−0.004−0.34+0.007

輝度マップ・ヒストグラムも両条件でほぼ重なり,空間パターン・分布形状に有意な違いは見られない.

考察 (Analysis)

1. 均一性指標はほぼ同一 — 外乱光の影響は評価に表れない

LSC 補正後の CoV は 0.0695(A)vs 0.0689(B),勾配は 8.35%(A)vs 8.69%(B),動径 min/max は 0.860(A)vs 0.853(B)と,すべて 1% 未満の差.外乱光を加えても照明均一性の評価結果は実質的に変わらない.SmTIAS 自前照明が白板を支配的に照らしており,室内照明の寄与は相対的に微小と考えられる.

2. 「外光を足したのに暗い」という矛盾 — 外乱光の寄与はばらつき以下

外乱光は信号を加えるしかできないため,物理的には B(MiniTIAS+外光)≧ A(MiniTIAS のみ)の明るさになるはずである.しかし実測では A の方が明るい(raw mean 441.2 vs 431.4,R/G/B 各チャンネルとも A が上).

これは,外乱光の寄与が セッション間のばらつき(≈2〜3%:撮影時刻 10:27 vs 12:45 の差,微小な位置ずれ,照明のドリフト等)に埋もれていることを意味する.すなわち 外乱光の影響 < セッション間ばらつきであり,外乱光の純寄与はこのデータからは分離できないほど小さい.

3. 評価上の含意

照明均一性評価(CoV・勾配等)に対して,通常の室内照明環境は実害を与えない.これは測定器としての SmTIAS にとって望ましい性質(外乱光に対するロバスト性)である.

結論 (Conclusion)

  1. 外乱光(室内照明)の有無で,照明均一性の評価指標はほぼ変わらない(差 1% 未満).SmTIAS 自前照明が支配的.
  2. 明るさの差(≈2〜3%)はむしろ「MiniTIAS のみ」の方が明るく,物理的に逆向き.→ 外乱光の寄与はセッション間ばらつき以下で,測定には埋もれて見えない.
  3. したがって MiniTIAS の照明均一性測定は,通常の室内照明環境に対してロバストと判断できる.

SmTIAS-LightSim 側への含意 (Implications for SmTIAS-LightSim)

本評価結果は SmTIAS-LightSim 側のキャリブ作業に以下の影響を与える:

Step 8-13 での代表 baseline 選定

  • 代表 baseline は MiniTIAS_QM_20260601_124500(暗闇撮影) を採用
  • 理由: 物理的に純粋な装置照明のみの状態(外乱光ゼロ)
  • 数値ターゲット: CoV=0.0695, 勾配=8.35%, 動径 min/max=0.860(TEST_05 §結果比較 と整合)

シミュ側のモデル化前提

  • Mitsuba シーンは「装置内部の LED 照明 + 反射のみ」をモデル化しており,外乱光は含まない
  • 実機側で外乱光の影響が < 1% と確認されたため,シミュ vs 実機の比較で「外乱光をモデル化していないこと」は実害ゼロ
  • 将来の議論で「シミュは外乱光を考慮していない」が懸念される場面では本報告書を根拠に却下できる

撮影運用への要望

  • 厳密性を追求する場合は 室内灯 OFF で撮影(実害は小だが純粋性のため)
  • 通常運用は 室内灯 ON のままで OK(測定値が信頼できる)

限界と厳密な切り分け方法 (Limitations & Controlled Test)

本評価は別セッション撮影のため,外乱光の純寄与を 2〜3% のばらつきから分離できていない.外乱光の影響「だけ」を正確に測るには,以下の対照実験が必要:

  • 位置・露出を完全固定(三脚等)し,室内灯のみを ON/OFF した連続2枚を撮影する(A: MiniTIAS のみ / B: MiniTIAS + 外光).
  • 差分画像 B − A が外乱光の純寄与.これにより「一様なオフセットか/窓・照明方向の勾配か」「何 DN 乗るか」まで定量できる.
  • この方式ならセッション間ばらつきを排除でき,外乱光の空間分布・絶対量を分離評価できる.