diff --git a/CLAUDE.md b/CLAUDE.md index 722144e..1b056e6 100644 --- a/CLAUDE.md +++ b/CLAUDE.md @@ -72,3 +72,4 @@ - 照明均一性評価報告書: docs/07_REPORT/REPORT_01_照明均一性評価報告書.md - PNG/DNG 評価比較報告書: docs/07_REPORT/REPORT_02_PNG_DNG評価比較報告書.md +- 外乱光影響評価報告書: docs/07_REPORT/REPORT_03_外乱光影響評価報告書.md diff --git "a/docs/07_REPORT/REPORT_03_\345\244\226\344\271\261\345\205\211\345\275\261\351\237\277\350\251\225\344\276\241\345\240\261\345\221\212\346\233\270.md" "b/docs/07_REPORT/REPORT_03_\345\244\226\344\271\261\345\205\211\345\275\261\351\237\277\350\251\225\344\276\241\345\240\261\345\221\212\346\233\270.md" new file mode 100644 index 0000000..694ebca --- /dev/null +++ "b/docs/07_REPORT/REPORT_03_\345\244\226\344\271\261\345\205\211\345\275\261\351\237\277\350\251\225\344\276\241\345\240\261\345\221\212\346\233\270.md" @@ -0,0 +1,77 @@ +# 外乱光影響評価報告書 (Ambient Light Influence Evaluation) + +## 概要 (Overview) + +MiniTIAS の照明均一性測定が,**外部の室内照明(外乱光)にどれだけ影響を受けるか**を評価した.SmTIAS 装置自前の照明のみで撮影した DNG と,それに室内灯(外乱光)を加えて撮影した DNG を,同一指標で比較する. + +結論を先に述べると,**外乱光の有無で評価結果はほぼ変わらない(指標差 1% 未満)**.SmTIAS 自前照明が支配的で,測定は室内照明環境に対してロバストである. + +## 前提・対象データ (Scope and Samples) + +| 項目 | 内容 | +| --- | --- | +| 条件 A(MiniTIAS のみ) | `MiniTIAS_QM_20260601_124500`(室内灯 OFF,2026-06-01 12:45 撮影) | +| 条件 B(MiniTIAS + 外光) | `MiniTIAS_QM_20260601_102753`(室内灯 ON,2026-06-01 10:27 撮影) | +| 機種 / モード | SH-02M / 定量モード(RAW_SENSOR,露出・ISO 等は両者同一固定) | +| 評価領域 (ROI) | `config/roi_config.json` の `minitias.whiteboard`(白板中央,両者同一) | +| 評価条件 | linear(output_color=raw)/ portrait / LSC 補正あり・なし両方 | + +> **重要な前提(本評価の限界)**: 条件 A・B は**別セッションの撮影**(時刻が異なり,三脚固定でないため微小な位置ずれの可能性).したがって「外乱光の純粋な寄与」を厳密に分離したものではなく,**外乱光の影響がセッション間ばらつきと比べて支配的かどうか**を判定する位置づけである.厳密な切り分けは今後の課題(後述). + +## 結果 (Results) + +### raw センサ統計(黒レベル=64,全画素) + +| 条件 | raw mean | min | max | std | mean R/G/B | +| --- | --- | --- | --- | --- | --- | +| A: MiniTIAS のみ | 441.2 | 89 | 983 | 161.0 | 355.9 / 537.4 / 333.6 | +| B: MiniTIAS + 外光 | 431.4 | 90 | 949 | 155.7 | 349.4 / 525.4 / 325.1 | + +### 均一性指標(白板 ROI,数値が大きいほどムラ大.動径 min/max のみ 1.0 で均一) + +| 条件 | ROI mean | CoV | max/min | 中心/周辺比 | 勾配(%) | 動径 min/max | +| --- | --- | --- | --- | --- | --- | --- | +| **A: MiniTIAS のみ**(LSC 補正) | 207.82 | 0.0695 | 1.617 | 1.0911 | 8.35 | 0.8600 | +| **B: MiniTIAS + 外光**(LSC 補正) | 208.77 | 0.0689 | 1.641 | 1.0952 | 8.69 | 0.8533 | +| A: MiniTIAS のみ(LSC なし) | 170.58 | 0.1464 | — | 1.4511 | 31.09 | 0.5343 | +| B: MiniTIAS + 外光(LSC なし) | 171.39 | 0.1477 | — | 1.4563 | 31.33 | 0.5304 | +| **差(A−B,LSC 補正)** | −0.95 | +0.0006 | −0.024 | −0.004 | −0.34 | +0.007 | + +輝度マップ・ヒストグラムも両条件でほぼ重なり,空間パターン・分布形状に有意な違いは見られない. + +## 考察 (Analysis) + +### 1. 均一性指標はほぼ同一 — 外乱光の影響は評価に表れない + +LSC 補正後の CoV は 0.0695(A)vs 0.0689(B),勾配は 8.35%(A)vs 8.69%(B),動径 min/max は 0.860(A)vs 0.853(B)と,**すべて 1% 未満の差**.外乱光を加えても照明均一性の評価結果は実質的に変わらない.SmTIAS 自前照明が白板を支配的に照らしており,室内照明の寄与は相対的に微小と考えられる. + +### 2. 「外光を足したのに暗い」という矛盾 — 外乱光の寄与はばらつき以下 + +外乱光は信号を**加える**しかできないため,物理的には B(MiniTIAS+外光)≧ A(MiniTIAS のみ)の明るさになるはずである.しかし実測では **A の方が明るい**(raw mean 441.2 vs 431.4,R/G/B 各チャンネルとも A が上). + +これは,外乱光の寄与が **セッション間のばらつき(≈2〜3%:撮影時刻 10:27 vs 12:45 の差,微小な位置ずれ,照明のドリフト等)に埋もれている**ことを意味する.すなわち **外乱光の影響 < セッション間ばらつき**であり,外乱光の純寄与はこのデータからは分離できないほど小さい. + +### 3. 評価上の含意 + +照明均一性評価(CoV・勾配等)に対して,**通常の室内照明環境は実害を与えない**.これは測定器としての SmTIAS にとって望ましい性質(外乱光に対するロバスト性)である. + +## 結論 (Conclusion) + +1. **外乱光(室内照明)の有無で,照明均一性の評価指標はほぼ変わらない(差 1% 未満)**.SmTIAS 自前照明が支配的. +2. 明るさの差(≈2〜3%)はむしろ「MiniTIAS のみ」の方が明るく,物理的に逆向き.→ **外乱光の寄与はセッション間ばらつき以下**で,測定には埋もれて見えない. +3. したがって **MiniTIAS の照明均一性測定は,通常の室内照明環境に対してロバスト**と判断できる. + +## 限界と厳密な切り分け方法 (Limitations & Controlled Test) + +本評価は別セッション撮影のため,外乱光の純寄与を 2〜3% のばらつきから分離できていない.外乱光の影響「だけ」を正確に測るには,以下の対照実験が必要: + +- **位置・露出を完全固定**(三脚等)し,**室内灯のみを ON/OFF** した連続2枚を撮影する(A: MiniTIAS のみ / B: MiniTIAS + 外光). +- 差分画像 **B − A** が外乱光の純寄与.これにより「一様なオフセットか/窓・照明方向の勾配か」「何 DN 乗るか」まで定量できる. +- この方式ならセッション間ばらつきを排除でき,外乱光の空間分布・絶対量を分離評価できる. + +## 参照 (References) + +- [REPORT_02 PNG/DNG 評価比較報告書](REPORT_02_PNG_DNG評価比較報告書.md) +- [TECH_01 DNG 対応要求仕様](../05_TECH/TECH_01_DNG対応要求仕様.md) +- 評価実装: `scripts/run_uniformity_dng.py`(linear + LSC 補正経路) +- 対象データ: `data/minitias/quantitative/`(gitignore 対象)